【大久保メルマガ】大人がよく使う抽象的で非本質的な問いは子どもを困らせる

こんにちは。
ソフトテニスチームの大久保 幸一です。


IMG_2063 僕の講演をお聞きになった方から、
質問が届きました。


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今日、先生の講演を聞かせていただきました。
とても興味深く、ありがとうございました。


「遠足から帰ってきた子に「どうだった」なんて聞いてませんか」
とおっしゃっていましたが、


帰宅してから、


「そんな時はなんて問いかければ良いのだろう。
どんな言葉なら、学びを誘う質問になるのだろう。」


と気にかかり、あの時にお聞きすればよかったと、
ここで質問をさせていただいております。


教えて下さい。

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偶然にも、大人がよく使う抽象的で非本質的な問い
「どうだった。」についてでした。


お答えした文章を少しふくらませて、
皆さんにお届けします。


例えば、
修学旅行に子どもたちが行くとします。


そして、それをつづらせたい(話させたい)とします。


こうした体験は、一つの出来事ではありません。
たくさんの出来事が連続して次から次へと起きるわけです。


ですから、
「何か一つ強く心に残ったことを、よく思い出して書いてごらん。」
という様に語りかける訳です。


さらに、
「僕だけが、僕たちだけが、私だけが、私たちだけが
経験したような事があったならば、是非書いてごらん。」
といった指導もします。


親子での会話を深めるとするならば、

・原爆資料館入ったんでしょ。どんな展示物が心に残った。
・資料館のなかでは、みんなどんなことを言ってた。
・平和公園の中で、何かめずらしいもの見つけなかった。
・夜なかなか寝られなかったでしょ。友だちとどんな話をしたの。
・被爆体験をした方から話しをきいたんでしょ。
覚えてることを少し聞かせてよ。


といったピンポイントの問いかけが有効です。


すると、子どもさんが答えてくれたことに対しても、
具体的でピンポイントな突っ込みができるようになっていきます。


そして、具体的で本質的な問い
(人の成長を確実にうながす、あるいは、深い学びへといざなう問い・・・)をという
意識を持つことが、なにより重要です。


僕の場合、普段から、
ある日ある時ある所での一つの出来事をえらんで、

順序よく思い出して、
まずは過去型でつづる指導を基本にしてきました。

加えて、一つでない出来事の例を
たくさん示してやります。


遊園地、旅行、キャンプ・・・もちろん野外活動、遠足、
そして修学旅行。


また、一つのことでないと、出来事を並べ立てただけの、
書きたいことのはっきりしない(主題の曖昧な)文章になると、


悪い文章例も教材としてあたえたり、
読んで聞かせたりします。


例えば、こんな文章です。

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家族で白浜へ行きました。
ワールドサファリに行きました。

パンダも見ました。
とちゅうでかき氷を食べました。

おいしかったです。

夜、おじいちゃんと温泉に入りました。
花火もしました。

次の日、海で泳ぎました。
また、行きたいです。

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この子は、何が書きたかったのでしょう。


題もついていません。つけようがないのです。


こうした文章を、先輩教師たちは、「起きて食って寝た作文」
と言って、厳しくいさめたものでした。


「どうだった。」という抽象的で
非本質的な問いは、一つまちがうと、


子どもたちの表現をよりうつろで、
抽象的なものにしかねないので気をつけたいものですね。


ユニークスタイルソフトテニスクラブ
総合アドバイザー    大久保 幸一

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