【佐藤】「楽しくプレーしよう」に少し違和感を持つ

from 佐藤


「楽しくプレーしよう!」
よく聞く言葉です。


でも、競技テニスに本気で取り組んでいるジュニアに対して
この言葉をかけることに、僕は少し違和感があります。


試合中、選手は本当に楽しんでいるのでしょうか。


楽しみ方は人それぞれなので
これはあくまで僕の考えです。


負けそうになっているとき。
思い通りにプレーできないとき。
練習してきたことが試合でできないとき。


そんなときは
楽しむ余裕を持てないことも多いと思います。


勝ちたい。
負けたくない。
なんとかして、この状況を変えたい。


そんな気持ちで
必死になっていると思います。


だって、本気で勝とうとしているんだから。


本気でテニスに取り組んでいるからこそ
味わえる楽しさがあると考えています。


心に残る一瞬がある


例えば、試合の大事な場面。


緊張する場面で
自分がイメージしていたプレーができた瞬間。


劣勢の中で作戦を変え
それがうまくはまって勝利した瞬間。


お互いに力を出し切って
試合が終わった瞬間。


そんなときに「テニスって楽しいな」
と感じることがあると思います。


勝ったときだけではありません。


負けたけれど
自分の成長を感じられたとき。


苦しい場面で逃げずに
自分の力を出し切れたとき。


負けた瞬間は悔しくてたまらないけど
そんな経験も、競技テニスの楽しさだと思います。


その一瞬のために時間を費やす


ただし、心からうれしいと思える瞬間は
簡単にはやってきません。


思い通りにならない練習もある。
悔しくて仕方がない試合もある。
頑張っているのに、結果が出ないこともある。


それでも、勝ちたいから練習する。


もっと強くなりたいから
できないことに挑戦する。


そうやって積み重ねた時間があるからこそ
心からうれしいと思える瞬間に出会えるはずです。


でも、努力すれば
必ず勝てるわけではありません。


それでも本気で取り組んだからこそ
見える景色があると思っています。


だから、僕は……
競技テニスに本気で取り組むジュニアに
ただ「楽しくプレーしよう」とは言いたくありません。


試合では、苦しくてもいい。
緊張してもいい。
負けたくなくて、必死になってもいい。


勝つために考え、悩み、挑戦すること。


そして、試合が終わったときに

「本気でやってよかった」
「テニスを続けてきてよかった」

そう思える経験をしてほしい。


振り返った時に忘れられない試合や
忘れられないあの1ポイントのプレーがあったりします。


テニスを続けていれば
自分史上最高のプレーだったり
今では笑って話せる恥ずかしいプレーだったり

振り返ったら面白い思い出や
面白い仲間にもたくさん出会えます。


本気でテニスを取組んだ時間が
「テニスをやってきてよかった」と思える理由になるかもしれません。

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