●上達しないジュニア育成法

非常にデリケートな問題を突っ込む
ユニークスタイルの丸谷です。
丸谷_顔写真 昨日他のクラブのコーチとお話しする機会がありました。
奈良県のジュニア事情については、実はほとんどわかりません。
トップ選手であっても、クラブの名前を出されても、場所と顔、プレイが一致しません。
そんな状態の中で、100%そのコーチの解釈ですが
「奈良県のジュニアテニス」というものを教えてもらいました。
その中で共通している点がいくつかありました。
その中の1つを紹介します。
複数のコーチに習うデメリットです。
この問題はユニークスタイルだから、というものでもなく
特定のクラブを指すわけでも、特定の人を指す訳でもありません。
奈良県のジュニアテニス界が抱えている問題
であるという解釈のもと、自分のチームだけではなく
全体にシェアしたほうがいいと思ったのでここで書きます。
よってあくまで個人の解釈で話すので
非難は丸谷までお願いします。
結論から申し上げますが、強豪と言われるジュニアアカデミーであればあるほど
「他のスクールとのかけもち受講」を許可しているところは僕は知りません。
それは自分のアカデミーで
「きちっと選手を管理する体制」があるからです。
そしてなぜ「かけもち受講」を
強豪アカデミーは許可していないかというと
メリットよりもデメリットが多すぎるからです。
これ以降に話す「かけもち」とは
2つ以上のクラブに正規会員として受講していることを指します。
「他の練習には行っては辞めさせられる」
というクラブもあるようですが
それは普通のテニススクールから言えば「普通ではない」ですが
選手育成の機関としては「よくある話」です。
もちろん極端な規制については話しは変わりますが
もしろ同じ選手育成をやっているクラブとしては
きっちりと選手を管理しているという印象は持ちます。
それよりもワンランク上の「ベストな環境」もあります。
コーチと選手がよほどの強い信頼関係で結ばれていて
不定期で「お邪魔するクラブ」のコーチからホームコーチへ
練習やアドバイスに対するフィードバックがあり
コーチ同士も信頼関係を置いている場合。
これはベストでしょう。
選手もコーチもお互いのメリットを享受できます。
次に「かけもち受講」のデメリットを話します。
少し例え話をしたいと思います。
頭の固い上司が2人います。
2人とも自分が正しいと思っており、持論を曲げません。
あなたは器用なので「両方のいいところを吸収しよう」
と思って2人に意見を求めに行きます。
最初はうまくいくでしょう。
意見が違うし、自分の都合のいいように取捨選択できます。
まずここでデメリットです。
都合のいいように、解釈するのです。
かりにA上司が
「多少品質は落ちても、納期は必ず守れ。」と言います。
しかしB上司は
「品質が落ちてはお客さんの信用を損なう。品質の維持が優先だ。」
と言います。
この2人の意見を聞いているあなたはどうでしょうか?
もし自分が「納期が間に合わない」または「品質が維持できない」
というミスを犯したとしても、
きっとどちらかの意見によって救われるでしょう。
なぜならば人は
「自分に都合のよい方向にしか解釈しない」のです。
そして子供ならば、もっとです。
いくらでもいい訳と逃げ場を見つけ出し、大人が描いている
「A上司とB上司のいいところを学べば上達は2倍」という発想がいつしか、
「どちらの意見も聞いている素振りを見せないといけない」となってしまいます。

最終的には板挟みです。

そういう人は失敗とエラーを繰り返します。いつまでも
自分の弱い部分と向き合えない状態が続き、
パッとしない戦績が続き、いつしかタイムオバーになります。
「2兎追うものは1兎も得ず」の典型的な例です。
そもそもそのようなリスクを取る
必要がないのです。
多くの選手やコーチが失敗してきた経緯がる
「かけもち」をあえて選ぶ必要はないのです。
仮に本当に「新しい環境や違った視点」が必要だと
思った時には、きっとそのホームコーチが
判断するでしょう。
だから強豪アカデミーは「禁止」にしているのです。
子供と大人は違います。
子供は大人ほど器用ではありません。
また大人ほど、ズルさもありません。
純粋で真っすぐであるため、
大人の考えや価値観では当てはまりません。
逃げる道を与えれば、当然逃げます。
2つあれば当然迷い、フラフラするでしょう。
それが上達や成長を妨げる「プラトー」と呼ばれる状態です。
話が長くなりましたが、整理します。
僕は「かけもちOK」と言って選手を
メキメキ強くしているアカデミーを知りません。
そして「かけもちしている」といって全国で勝っている
選手を知りません。
かけもちを禁止されているクラブは、度合いにもよりますが
「きちっと選手を管理する体制」があるからと安心します。
奈良県には「ジュニアはかけもちOK」という
独特な風習があるようですが見方をかえると
過去の歴史において、コーチが「責任を負いきれなかった」
「管理できなかった」という背景があるのだと思います。
そんな中だからこそ、「禁止してきた」クラブが
多くの選手を輩出し、実績を出してきたのかもしれません。
では通えない人たちはどうしたのか?
ここで「親が動かざるをえない背景」が出来たのでしょう。 大変だと思います。
普通はコーチがやることを、親御さんが
動かないといけないわけですから。
奈良県に来てとても驚きました。
普通はコーチがやるべき事が
親御さんが代行していることに。
それも含めて「奈良県の現状」があるのでしょう。
もっとコーチを信頼して任せてもいいと思います。
親御さんは始めて経験する「育成」ですが、コーチ達は
何度も何度も失敗してきた経験があります。
そうすればもっと楽になると思います。
以上、ここでお話しした事は、誰か特定の人を指す訳でもなく
特定のクラブを指す訳ではありません。
ただ育成においてのジャパニーズスタンダードという
視点で情報をシェアしただけです。
そして問題提起だけをして解決法を示していない事も
申し訳ないと思います。
解決法はホームコーチの考え方によって異なるため
ここで回答は出せません。
このように色んなコーチと情報交換をすると
色んな視点や気づきがもらえます。
あくまでもお互いに真実とは違う「解釈」でモノを推測
して話しているに過ぎませんが、
それでも真剣にジュニアの育成を考えているコーチ
とご縁がある事は有り難いと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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