【佐藤】「習う」「遊ぶ」だけじゃなく、もう一つ大切な事とは!?
from 佐藤
今日は僕が感じた違和感について、
お伝えしたいと思います。
多くの子供達と
話をする機会がありますが、
今の子供達は毎日
何かの習い事をしている子が多く、
学校が終わった後は「遊ぶ」というより
「習う」ということが多いと感じました。
しかし、それは時代の流れとしては
普通なことですが、
僕の中で何か
違和感が残っていました。
それは「家事のお手伝い」を
する子が少ないことです。
お風呂掃除、お皿洗い、犬の散歩、買い物のお使いなど、
家庭内のお手伝いをしている子が少なかったのです。
そこで、子供のお手伝いに
関する研究報告のニュースを
シェアしたいと思います。
1. 子どものお手伝いに関する研究
米ミネソタ大学のMarty Rossmann教授は、未就学児84名を10歳、15歳、20代半ばのタイミングで追跡調査し、家庭でのお手伝いが及ぼす影響を分析しました。
その結果、3~4歳の未就学時期にお手伝いを開始していた子は、10代でお手伝いを始めた子やお手伝いを全くしない子に比べて
■ 家族や友人との関係が良好で成績が良い
■ キャリアでの早期成功
■ 自分のことは自分でできる
などの特徴があるそうです。
これは、掃除、ゴミ出し、窓拭きなど、
ちょっとしたお手伝いが
その都度、達成感につながり、
人のために何かをする喜びを与えてくれます。
2.お手伝いの優先順位
上に挙げた研究をはじめ、
小さい頃からお手伝いをすることは、
子どもの成長において
とても大切であることが
これまでにわかってきています。
アメリカの発達心理学者で、”Raising Can-Do Kids(できる子を育てる)”の著者である、Richard Rende氏は、
お手伝いは長い目で見て、
習い事よりも
効果的に社会性や学力を
向上させることができると考えており、
「子どもが成功できるようにと様々な習い事をさせているつもりが、その一方で、確実に子どもに人生の成功をもたらしてくれることが立証されている家事をやらせなくなってしまった」
と子どもにお手伝いをさせる
重要性を唱えています。
子どもの勉強や習い事の時間を確保し、それ以外の時間はせめて子どもの好きなことをやらせてあげようと思うと、どうしても子どもにお手伝いをさせるのを後回しにしてしまいます。
しかし、専門家がそこまで子どものお手伝いの重要性を訴えているとなると、忙しいからお手伝いさせないのではなく、お手伝いの時間も習い事や勉強と同じように扱う必要があるのかもしれません。
3.子どもにお手伝いをさせる時のポイント
子どものお手伝いをより定着させるためには、
次のようなポイントがあります。
■ 人のために何かをする喜びを教える
・「○○してちょうだい」ではなく、「ママが助かる」、「助けてもらえたら嬉しい」というスタンスで。
・自分のベッドを片付ける、靴を揃えるなど、自分のことをさせるだけでなく、洗濯物を取り込む、ゴミを集めるなど、家族全体のためになることに重点を置き、それをすることが家族全員のためになることを伝える。
・人の為に、家族のためにという気持ちを養うためにも、お手伝いとお小遣いを絶対に結びつけない。
■ 家事にマイナスイメージを持たせない
・ママ自身が日頃の家事に不満や否定的なことを言わない。
・何かの罰として家事をさせることは避ける。
■ これならできる、やりたいと思わせる
・年齢や成長に合ったお手伝いを頼む。
・初めて頼むお手伝いは、お手本を見せる、一緒にやるなど、子どもが戸惑わないように丁寧に教えてあげる。
・年齢が小さいうちは「おもちゃを片付けて」ではなく「下に落ちているおもちゃをこのカゴに入れてくれる?」など具体的な作業を伝えてあげる。
・下に散らかったおもちゃを誰が多く集められるか、床にマスキングテープを貼ってゴールを作り、その中にゴミを集める掃き掃除など、お手伝いにゲーム性を持たせる。
・「助けてくれたこと」に感謝するのではなく「助っ人になってくれたこと」に感謝する。
139名の3~6歳児を調査した結果、手伝うという動作を褒めるよりも、「助っ人」「お手伝いさん」「ヒーロー」など「助けてくれた人」として感謝することが、子どもの自己肯定感を高めると同時に、やる気が格段にアップしたという研究結果があります。
お手伝いをすることは、子供の成長には
大切な「学び」の一つになります。
「習う」ことも大切で、「遊ぶ」ことも大切で、
「手伝う」ことも大切ですね。