【丸谷】錦織圭が世界で通用する理由と、これからの日本のテニス界の活路とは?

ユニークスタイルの丸谷です。


丸谷 fファイルを整理していると、2008年に日本テニス協会に提出したレポートを発見しました(笑)

今から、6年前なので、恐る恐るファイルを開くと
案外、大ハズレしてないのでシェアします。

課題:
戦術の基本的理念をふまえ
今後5~10年で新しく主流となる攻撃的な戦術を予想し、その理由を説明せよ

【現代の流れ】
30年前と現在のトップ5の体格を比較すると約+12センチ大型化し、デルポトロ、チリッチ、グルビスなどの次世代の選手はいずれも190センチを超すサイズであり、今後はより選手の大型化に拍車をかけることと予想されます。サービスゲームの重要性は、近年リターン技術が大幅に向上したこともあり、大型選手とはいえ、サービスゲームをホールドするのは容易なことではなく、今後現代テニスにおいては、強力なサービスを備えながら高いリターン能力が鍵を握ることだと考えます。

【データからの現代テニスの現状分析】
世界ランク1位のナダルのサービスエースは1試合平均3.1であり、エース本数も1stサービス時のポイント獲得率でも上位10に入りません。しかしカルロヴィッチよりもブレークポイントのセーブ率は高い。これは日本人の選手には意味深く、サービス後の+αとしての展開次第でサービスゲームをホールドすることは可能であるということを示しています。1st時のポイント獲得率は、ビッグサービスを持っている人たちにとって有利な傾向は否定できませんが、現代テニスでは、2ndサービスになってしまうと身長での有利さはなくなり、その後のラリーからの展開に依存する傾向が強く残ります。

【サービスゲームの戦術的な展開】
前述したようにサービスエース数=高いキープ率という図式は成り立たたず、体格が不利な日本人はサービスゲームの展開を以下の戦術を基本に振り分け、必要な能力を向上させていく必要があります。
1.サービス後のラリーからのポイント獲得に依存するタイプ
2.サービスを起点にしてポイントを奪っていくタイプ
3.上記の1と2を補完し合っているタイプ

【基準】
データから分析すると、サービス後のポイント獲得率を1stで70%前後、2ndで50%以上とするのが基準といえます。またレシーブゲームの基準として、レシーブ後のポイント獲得率を1st時は30%強、2nd時は50%強という高い基準となり、リターンゲームでの数字を出せない場合には、大きな問題を抱えてしまうという現代テニスの流れは、サービスゲームと同様に重要性を持ちます。

【日本人ジュニア選手の対策】
早期段階で海外の選手を見せることで、サービスゲーム対策とリターンゲームでの展開の必要性を選手自身が認識できます。そして、アメリカやヨーロッパでの世界水準を体験するのと平行して、アジアやその他の日本人と類似した体格の選手との経験も取り入れるべきだと考えます。いずれにしても、サービスゲームにおいては、サービス+αの展開作り、レシーブではリターン能力の向上次第で日本人は世界に通用するといえるのが現在のテニスの流れであり、大型化する選手の中で日本人が活路を見出すチャンスであると考えます。以上が、私が想定する今後10年の攻撃的戦術です。

追伸

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2014年9月14日11:47 | 丸谷コーチ

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